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「真夜中ブック」
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作詞 souzou |
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例え話しから始まる言葉 一つの人間を歩かせる物語
並んだ真夜中ブックとりだして深い場所が眠るまで読み続ける
コーヒー温度が体温を下回る頃まで 意識が微々たる風に消されるまで
夢の回路が開通されるまで 生きる貴方に目を落とす
そして 突然 始まる
理科室の人体模型は気にも止めていなかった知人の顔
喜怒哀楽を語る表情に 無関心なぼくは遠のいていく
いつの間にか季節は冬 通り雨が平行線の雪に変わる
底抜けの足跡をたどると見つけた春は黄緑
巨人が描くキャンバスは夜空
そこから絵の具が床に垂れ 小人のぼくは黒い皮膚になった
水場を探し歩く途中 綿ぼうしタクシーと出会い運ばれる
美味しそうな匂い 吹き上げる
腹べこ虫が鳴って ホワイトシチューの湖に飛び込む
マーブル模様を作りながら泳ぎ食べる
マッシュルームはマジック奏でて ぐんぐん背が伸びていく
空に逃げた風船を掴んでも足りず 円球を突き抜けていく
太陽は熱が伝わらないほどの距離にあって ロウソクのよう
ハッピーバースデーと言って吹き消すと クラッカーの音が響いた
銀河は洗濯機の速度で廻りだし清潔に洗い流され
透明な闇はジェットコースターになって
寒気と吐き気がドクドクと心臓を脈打たせる
想像では楕円形の宇宙 端っこを見たくて地球に火をつけた
安心する炎は辺りを歪に照らす
ぼくの半身が燃える 死臭はゴムの臭いがした
気付くと合成樹脂の体でできていてる 人体模型だった
痛みがないから怖くない 火遊びしながら灰になるなら
何億年経ったらキレイなダイヤモンドになって欲しいと願うよ
そうして次々輝きだす星クズに頬笑みを覚えたぼく
このまま廻り続けるのかな 目を閉じると薄い目蓋は朝日を届けた
そして 突然 終わる
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