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置き去りの赤
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作詞 斗望 |
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傷つけたくないものが在るなら
嘆くこともできないだろう
伝わるその感情が
流れ出ないように押し込めた身体
小さく震えた
繋ぎとめられた日常に君がいて
僕はそれを必然と思う
君がいなくなったとき
僕は何を思うのだろう
触れた指先から伝わるなら
僕は怯え君は遠ざかる
真実など知りたくないから
紐解く記憶も置き去りにしたい
先のふたりも
情景を前に黒い両手で視界を覆う
離れたくないとしがみ付いた
傷だらけの腕が触れた
強く抱きしめた君のその身体
静かに落ちた雫
押さえた感情
抱き寄せた胸から沁みる
口を塞いでも流れる吐息
暖かい涙がふたりの別れを語る
別れを惜しむこともない
言葉を交わすこともない
ただ抱き合って 涙を流して
やがて渇き 溜め息を吐く頃
君は深い永久の眠りに沈む
「水面に浮かぶ花弁は君が最後に残したもの」
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