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“祖父”
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作詞 ●○Misaki○● |
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学校から帰って来ると
『おかえり』と優しく顔を出す祖父。
『ただいま』と無愛想に部屋へ向かう私。
ベッドに横になってふと考えるのは
祖父の悲しげな顔。
いつもいつも 後で後悔してた。
でも、なぜか素直になれない私。
冬。
教室に鳴り響く電話の音。
それは祖父が倒れたという知らせ。
私はカバンを手に取り
目に涙をいっぱい浮かべて
まっすぐに病院に向かった。
病室に入ると白いハンカチを顔にのせた祖父がいた。
横で泣き崩れている祖母。
遅かった。
何も言えなかった。何もできなかった。
『ごめんね』も『ありがとう』も。
母が言った。
祖父は最期に私の名前を呼んだ。と。
いつもいつも
冷たい態度ばかりとって
まったく可愛げの無かった私の名前を。
小さい頃母に叱られて泣いている私を
優しくなだめてくれたのは祖父だった。
家出をした時
家の前でずっと私の帰りを待っていてくれたのも
祖父だった。
祖父はいつも私に精一杯の愛情をくれた。
そして夏になった今。
祖父の使ったぼろぼろの軍手や
私が小さい頃からかぶっていた麦わら帽子が
私の部屋にあります。
考えれば悔やむ事ばかりだけど
あなたの孫で良かったって
そう、心から思います。
おじいちゃん、ありがとう。
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