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リリィ
作詞 ソ\ウ
真っ白に染められた 願いだけをそっと
その胸にひとつ抱き 少女は軽く微笑む
雑踏の片隅で ボロボロの籠を抱く
溢れそうな白い花 リリィは優しく咲く

雨の日も 風の日も
少女はいつもの場所
一輪でコイン一枚
手にする為立ち尽くす

真っ黒に溶けきった 過去だけをずっと
その両手にひとつ抱き 写真家は道を行く
手には古臭いカメラ ひび割れたレンズ掲げ
眩しすぎる空を その眼に写しこむ

雨の日も 風の日も
男はいつも通り
残りたった一枚の
フィルム片手に歩いていく

少女は毎日同じ場所で その白い願いを
両腕でしっかりと抱く 落とさないように
ある曇りの日に 少女は男に出会う
ボロボロのカメラ片手に すれ違う人を睨んでた

すれ違う雑踏の片隅 男は少女と出会う
小さな手に抱かれた リリィは鮮やかで
言葉が邪魔になりそうで 何も喋らなかった
それでも少女はちゃんと 笑ってくれて

リリィは優しく咲く
白い願いを抱きながら
ただじっと待ちつづけ
それ以外には術を知らない

ある晴れ渡る日に 男はレンズの向こう側に
いつも立ち尽くしている あの少女を写しこむ
白い花束を抱え 憂いの表情を浮かべる
よぎる過去の映像 重ねたいつかの亡き恋人 

少女の腕の中には 白い願いがあるだけ
誰も見向きもしない その手にコインは無い
次第に枯れていく花 次第に褪せていく花
ゆっくりとやせ細る 少女と同じように 

男の手に一枚のコイン 
唯一売れた花の写真
白い願いを抱いた少女
リリィを切り抜いた写真

男は駆け出した いつもの雑踏の片隅へ
すれ違う人を掻き分け たどり着いた先
少女の姿が無い あるのは白い籠だけ
少女の姿は無い あるのは枯れたリリィだけ

リリィは優しく散る
白い願いを想いながら
ただじっと待ちつづけ
それ以外には術を知らない

少女は雑踏の裏で 微かに息をする
日陰の暗い中で 微かに息をする
白い願いはそっと 籠の中で朽ちて行く
掠れそうな意識のそば 聞こえる地面を蹴る音

男は少女を抱きかかえ
来た道を引き返す
右手に少女の手 左手に一枚のコイン
今にも枯れそうなリリィに
水をやる為に駆け出した

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歌詞タイトル リリィ
公開日 2004/07/17
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コメント ストーリー性のある歌詞を書こうと思いました。今までの自分の詞とはベクトルが逆なんで、苦労しました。気に入っていただけると、幸いです。
ソ\ウさんの情報
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