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お兄ちゃん起きてよぉ…
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作詞 朱螺 |
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いつも遅刻ばかりするお兄ちゃん
私が同じ高校に通う時にお母さんが一言
「妹だから悪いけどお兄ちゃん起こしてやってね」
妹だからって何もそんなメンドクサイ仕事を…っ
高校一年生、晴れて入学
お兄ちゃんは高校三年生
いつも遅刻ばかりしてたお兄ちゃん
だから私が同じ高校に入ると起こし係になった
いつも困っている時はお兄ちゃんが助けてくれた
好きな人ができた時もその人にフラれた時も
いつでも私の傍に居て、一緒の気持ちになってくれた
…優しいお兄ちゃん
私はお兄ちゃんが一番好きなタイプだった
でも遅刻ばかりするから
私は「早く起きてよ」が口癖になった…
そんなお兄ちゃんが死んだって
信号無視の車に轢かれたって
病院に居たお兄ちゃんは白い布を顔に被ってて
お兄ちゃんの指に触ると冷たくて青白かった
いつも傍に居てくれたお兄ちゃんが死んだと
私の口癖「お兄ちゃん、早く起きて」と言う
でも今のお兄ちゃんはいつものように起きてくれない
…大好きなお兄ちゃん
私の声に今のお兄ちゃんは反応してくれない
いつもみたいに「やっべぇ!!」と言って
いつまで寝てるの、早く起きてぇ…
お母さんはいつもの笑顔が泣き顔になってて
涙が病院の床に溜まってる
お父さんの優しい目が光を失った目になってて
冷たいおにいちゃんを見つめてる
そして妹の私はいつものような口癖を
お兄ちゃんに向かって叫んでる
「お兄ちゃん、もう学校の授業始まったよ
早く起きないと成績に響くんじゃないかな
お兄ちゃん…早く起きなよ…
お兄ちゃんのお弁当全部食べちゃうよ?
起きろ!お兄ちゃん遅刻だよ!?
早く起きて!私一人で学校行けないよ…」
叫んでも居ないのに
泣き叫ぶ私をお父さんが止めた
いつもは見せない涙を目に浮かべて一言
「お兄ちゃんは起きない、死んだんだ」
事実を言うのが辛くって…
お兄ちゃん、早く起きてくれないと遅刻だよ?
泣いても叫んでも問いかけても。
お兄ちゃんは目を覚まさないのかな…
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