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猫、一緒に居た。
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作詞 朱螺 |
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拾った猫、黒猫。
ダンボールに入ってた、猫。
−−−−−猫、一緒に居た。
ねこ、ネコ、猫。
真っ黒な猫の目も真っ黒で
それでも光が当たると綺麗に反射した。
真っ白な雪の中に居たら絵になるな、と僕は思った。
君の名前、どうしよっか。
猫は当然、「にゃー」しか言わない
でもその声は「勝手に決めて」って僕に聞こえた。
黒猫、黒猫、真っ黒な猫。
黒猫は不幸を呼びます、けれど幸せも呼びます。
白猫は幸せを呼びます、けれど死を知らせに来ます。
どっちを信じたら良いのさ。
でも僕は黒猫の方が好きだから黒猫信じる。
ねこ、ネコ、猫。
黒猫ね、明日消えちゃうんだよ
だったら名前なんかつけたくない。
縛り付けるなんてしたくない、でも名前はあげよう。
猫の名前、『クロネコ』で良い?
猫は当然、「にゃー」しか言えない
でもその声は「名前をありがとう」って僕に聞こえた。
黒猫、黒猫、名前はクロネコ。
明日死ぬなら今日生きよう、それが生きる特権。
僕の家の近所でね、こんな事件があったの。
『野良猫がたくさん、とある家に住み着きました。
その家の人は猫が大好きで、野良猫に餌を与えてました。
けれど、隣の家に住む男が、猫の鳴き声が煩い…という理由で、猫を何匹も惨殺にしました。
野良猫の一匹は、家の人に飼われてもらったのですが、他の野良猫は隣の男に殺されてしまいました』
酷いよね、残酷で、残虐だね。
たくさん鳴いていた猫の声は一匹ずつ消えた。
ねぇ、クロネコ。今、クロネコは幸せ?
猫は当然、「にゃー」としか言わないよね。
明日、クロネコが消えちゃっても
『今は僕と一緒に居た』証拠を残していって。
ねぇ、何匹もの猫達を殺した男さん。
クロネコを殺すな、とは言わないし
逆にクロネコを殺せ、とも言わない。
でも、一つだけ…一つだけ聞いてくださいね。
クロネコを殺すのなら『優しく殺して』。
クロネコが僕の傍に居たって証拠。
それは、今居るクロネコの体温。
あぁ、でも…それは今だけカナ?
クロネコ死んじゃったら証拠無くなっちゃうね…
殺すなら優しく殺して。
クロネコが僕の傍に居た証拠は…今有る体温?
でも証拠は僕が記憶しとく。
−−−−−猫、一緒に居た。
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