|
|
|
星に願いを。
|
作詞 望月椿 |
|
「ここは星が見えないから好きだよ」
淋しそうに笑う君
冷蔵庫の電子音
つないだ手の冷たい汗
季節はずれのバニラアイス
綺麗に削られた木ベラ
炭酸の抜けたソーダ水
肌を映す銀のマドラー
「星を見れば願ってしまうから」
弱々しい台詞にうつむく僕
空から降るピアノの音
君の腕が奏でた記憶
密閉されたジャムの瓶を
かわいそうだからと
床に落として割った君
裸足の指の間に流れこむ糖蜜
「眠れないの?」
温かそうなホットミルク
「眠らないんだ」
消えたテレビに見入る君
「眠りは星を呼び寄せるから」
屋根裏部屋の
埃に埋もれた望遠鏡
それはただただ君だけのために
どうか
今は見えない
星に願いを。
|
|
|