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散歩道
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作詞 桜井直樹 |
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いつからか行き詰ると条件反射的に
僕は上着をその右手に
いつもの散歩道に身体を繰り出すんだ
午後8時を回った街はすっかり冷えて
僕の冴えない溜息さえ
イルミネーションに重なって映えるんだ
ぶっきらぼうに並んでる建物の隙間
ふと覗いた三日月が
僕を俯瞰してるようで目を逸らした
現実から逃げようとしてるのか
それとも君からか
正直今自分を見失ってるんだ
溢れた思いが零れてしまったみたいに
何かが二人の中で擦り切れた
完璧を望んでもいないのになりだがる
そんな自分がもどかしくて
嫌になる
よくある階段を下りていくんだけど
そこには何かを感じる
だってさ君との思い出がちらつくんだ
箱詰めにされた満員電車の乗客が
僕を睨んでるようで
これから踏み込む世界に躊躇を覚えた
それぞれの日常に生きる通行人さえも
嫌悪感を散らかせてるよう
四角いこの領域を飛び出したいんだよ
現実から逃げようとしてるのか
それとも君からか
正直ずっと自分を見失ってるんだ
傷ついてしまったヒナ鳥を温めるみたいに
何かが二人の中で繋がり合った
愛と呼べるかは不確かだけど確かに…
そんなあの日に戻りたくて
空になる
君がいつも僕を待っててくれたあの公園
今じゃホームレスだけ
雰囲気も何もあったもんじゃないけれど
あの場所に踏み込むと必ず胸が震えてる
あの時と同じように
変わったのは「流れる音は枯葉の泣き声だけ」
溢れた思いが零れてしまったみたいに
何かが二人の中で擦り切れた
完璧を望むことの無意味さを打ち破る
そんな自分を誇れるように
明日になれ
明日にする
明日になる
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