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初雪の夜
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作詞 ◆choco◆ |
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深い眠りから覚めた時には
昨日からの風邪はすっかり治っていた
時計の表示はPM8:00
遅すぎる起床でねぼけながらも
いつもの習慣でカーテンを引く、と――そこには
闇が所々に白を着飾った
いつもと違う風景が広がっていた
回りの光を全て集め
真っ暗な世界を明るく照らしている真っ白な雪
まるで全ての汚れや穢れを覆い隠し
どこか知らない所へ運んで行ってくれたみたいに
そんな世界へすぐにでも足を踏み入れたくて
私は急いで外に出た
肺が吸うのをためらう程
冷え切った空気
子ども達が遊んだ後の気配さえなく
きれいに降り積もった雪
ふっくらとした雪の上に
思わず寝ころがり
真っ暗な空を覗き込む
雪を降らしきった雲はとっくに過ぎ去り
薄い綿の様な雲が月の上を通る度
太陽から届く黄色い光をぼやけさせている
体をまとっている暖房から得た熱は
いつしか消え去り
私の体温だけになった
外からの冷気を
必死に追い出そうと抵抗する私の熱は
強く 温かい
きっとそれは
一つ一つの命を奪い熱に換えたものだから
他の命を奪うことで繋げてきた命だから
この重みを忘れてはいけない
初雪の夜の出来事
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