|
|
|
病床での再会
|
作詞 竜二 |
|
何不自由ない幸せな二人がいた
冬寒い中 彼女のつくった料理は美味しかった
家に帰れば 彼女はいる
彼はそんな日々をあたり前に送っていた
寒い寒い冬空の下 二人は散歩に出かけた
彼女が軽くせきをした
「風邪ひいたの?」って彼は聞いた
彼女に返事をさせないようにせきは出続けた
彼女はついにしゃがみこんだ 口から血を吐き出した
通りすがりの人は止まり 彼は急いで助けを呼んだ
はやし立てる人の中で 彼女のせきは出続けた
彼女は2日家に居なかった 男は彼女の帰りを待った
病院から帰った彼女は やつれた笑顔で男に告げた
「私結核だったのいつ死んでもおかしくないような」
彼はあっけに取られて
何も言えないまま立ち尽くした
彼女のせきは出続けた それでも彼女は家事をした
彼が何度も「俺がやろう」と言ったって
「自分でやる」って聞かなかった
「次に私が倒れたら
あなたに食べてもらえないでしょ?
今のうちにあなたに私のぬくもりを
憶えておいてほしいから」
彼は彼女の料理を食べた
いつもと変わらず美味かった
だけど涙があふれてた 二人の目に涙はあふれてた
それから1年、彼女は倒れた
病床で目を覚ました彼女は
「もっと 一緒に居たかったね」って
かすれた声でつぶやいて
血を吐くことなく眠りについた
彼はなきながら誓った
「たとえ死んでも生まれ変わって
お前に会いに行ってやる!」
誓いを立てて長い年月が流れた
彼は結核で亡くなった
病床で彼はつぶやいた
「ようやく会えたね」
|
|
|