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カメラ越し
作詞 深衣
悴んだ指先が赤くなって、マフラーからはみ出した首も冷たくて、
一人で自転車こいでいるときに、空が綺麗だから携帯を出して写真に残していた。
きっと残しておきたいんだと思う。何もかも。
生きた証が欲しいんだと思う。

冷たい壁の地面に見つけた名前さえも知らない草。
カラフルに落書きされた壁とそれは対照的で、地味でそれでも懸命に生きていて、
素敵だった。
枯れるときも、誰にも知られずにひっそりと枯れていくんだろう。
赤い派手な花びらをつけるのでもなく、小さな緑の蕾を持って。

地味に生きて、誰にも知られずに死んでいくのは耐えられない。
発狂してしまう。

生きた証を求める私にとって、それは紛れもなくありえない生き方だった。

けど、空が遠いと感じるのは、きっと空をあまり見ないからだ。
この草は空さえも近いと感じられるのだろうか。
携帯に残した写真でしか空を見られない私は、空の絶対値を知らない。
時間に流されて、感情も何もない草を哀れだと言うには、私はあまりにも惨め過ぎた。

毎日いじめのニュースを聞き流す。
偽善者な大人が、何を言う。
簡単に、口から発せられる言葉に重みすら感じない。
かっこつけてテレビに出る先生が何を教えられるの?ばかばかしい。

問題など何もない、ただ朝が辛い。毎日同じ生活が不毛に感じる。
そんな私は、あまりにも。

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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歌詞タイトル カメラ越し
公開日 2006/12/03
ジャンル 詩(ポエム)
カテゴリ その他
コメント 病んじゃってます汗何もなくても日常生活が辛いと思うときがあるってのを、言葉にしたらこうなった。かなり暗め。
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