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小さな笛
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作詞 まったん |
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タイヨウが輝いていた 白い犬が歩いてきた
震えている足元の 母親は輝きを失った
誰からも避けられ この街から出て行った
生きることがつらい白い犬 目の前に笛吹きが立っている
彼は優しく犬を抱えた 犬はぬくもりを愛しく思った
その眼に映った彼の顔は あのタイヨウにも似ていただろう
笛吹きはろくに食べないで 毎日毎日思いを奏でた
なぜぼくが笛をふくかって? ぼくを待つ人へ知らせてるんだ
僕はここに生きてると 君と一緒に生きてると
白い犬との冬を迎えた 彼は静かに笛を吹く
ぬくもりだけが生きる意味 笛吹きだけが帰る場所
何もいえないほど腹が減っても 心の中は暖かかった
白い犬は永遠を見た その眼の中に日々を描いた
彼は犬に名前を付けた Little Whistleと呼んでみた
尻尾を振りながら走り回った 二人はそう、幸せだったろう
出遭ってから一年が過ぎ 笛吹きは笛をふかなくなった
なぜ今日はふかないかって? 全てに終わりがあるからさ
僕の笛を届けてくれ あの人のもとへ届けてくれ
流した涙は暖かかった 笛吹きの命は歌うのをやめた
白い犬は北へ走った なにがあろうと止まるものか
涙が凍ることもある 石に躓くこともある
だがなにがあろうと止まるものか
がけの向こうに煙突が見え 犬は止まって後悔した
なぜ止まる必要がある? 命はまだ歌ってる
今なら飛べるはずだろう あの人の思いをを届けなきゃ
畑仕事をしていた娘が 庭の向こうに犬を見つけた
笛をくわえたその犬は うれしそうに笑っていた
娘の涙はなにより暖かかった 終わりを届けた犬は歌うのをやめた
約束どおり願いを奏でたよ だって僕の名前はLittle Whistle
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