|
|
|
晩秋のプロムナード
|
作詞 蜜希 |
|
秋より春がすきと言った人は
薄い水彩のはがきをくれた
「幸福に飽きた」と冷たいペンが
滲み、私の返事を待っている
「彼はいい人」捨てられない写真は
もう若くない証拠
あの頃の私ならきっと
行きずりの人も愛せたのに
寄り添ってた枝を捨てて木の葉は、
ぬれた土に身体を寄らす
きみはそれが幸せだと思っていたね
外は深くなる四季、私は橙に消える
公園の散歩道、むかしと変わらない
呼吸整えて足早に行く
彼女は私が欲しかった季節を抱いて、
冬の前にはそれを捨てた
残された色付きの栞、私の本に
はさまない、けして
恋人たちの横、すり抜けていく、
若葉もいつか色付いて枯れるの
枝から離れた木の葉は、
二度と真夏に戻れない
気付かなかったのは子供だったから
外は深くなる四季、後悔は紅を染める
道を埋めるのは刹那の色彩、
こんなにも何にもない心が恐いから、
私はぼんやりプロムナードを歩く
きっと私は許せない、面影も紫に死す
きっと私は許せない、面影も紫に死す
|
|
|