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老犬
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作詞 SHEZA |
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日ごと衰えゆくあなたの色を
つなぎとめたくて僕は泣くんじゃない
かがみこんだまま もう動かないで
愛しさで抱きしめたい
願いすら届かなくて
星を数え 散らばった光の
有限さで空は霞んだ
果ての見えた夢の旅路で
転がり落ちてはなぜ 涙こらえるの
支える腕も 言葉すら届かない場所へ
飛び立つまではそばにいさせて
ここに在ることがすべてと
仕舞いこんでた自分には もう手を振って歩いてく
生まれては消えていく物語をだいて
その儚さと美しさに僕は泣いて
だけど何処にいても あなたは変わらない
ぬくもりさえ 陽が僕の心包むから
今さら振り返れば 蘇る記憶は
やけにあたたかい午後の日差しのようで
あの頃見たたくましさも 輝きも
いつしか雨が大地に溶かしていたのかな
不確かな記憶の片隅に いつも追いやっていたあなたへの愛しさを
今やっとこの胸の真ん中に抱くよ
立ち止まる足音もいつしか色を変え
刃こぼれた切っ先にすりよせた頬も
まだ赤く染まるけれど
ただそれだけの償いを悔やんでも
明日に見える果ての向こう側で きっと
あなたは微笑むだろうから
まどろみの中 あなたは歌う
空を駆け 自由を飛んでゆく
繋ぎとめられないあなたの呼吸が
今この胸に吹いた 優しさで震えた
生まれては消えていく物語の
儚さと美しさに僕は泣いて
その涙の果てに 眠るあなたをだいて
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