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放課後ラプソ\ディ、
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作詞 菜緒* |
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あと一週間で私達は高校生ではなくなる
そんな時に、私と君は仲良くなったんだったね、
そう、君は
いわゆる いじめられっこ、で
クラスのどの子とも全然話してなくて
最初は私も 「静かな子だなぁ」 って思ってたなぁ
そんな日の放課後
三階トイレ掃除が終わった帰り道
音楽室の前を通っていたら
平凡なはずなのに、なんでか
なんでか聞き入ってしまう ピアノの音色が響いていた
君は、
ピアノが物凄く上手くて
「卒業式もピアノ弾くんだ、」なんて
嬉しそうに笑っていたね
いつの間にか、私は
君がいじめられっこだなんて忘れて
あれだけ信じていなかった男女間の友情だって
存在するんだ、と 叶うものなんだ、と
気付かせてくれたのは、 君だったよ
そうして、私達は仲良くなっていった
あと一週間で、卒業だけど
それでもずっと友達でいられる、って
私達は、信じていた
卒業式前日、鳴り響いた携帯電話
もしもし、と 普通に出たけど
用件を聞いたら、目の前が真っ白になって
気がつけば、君の家まで来ていた
そう、あと一週間で私達は高校生じゃなくなる
そんな時に、私と君は仲良くなったんだったね、
今まで話した事もなかったくせに、
なんでかくだらない事で盛り上がって
七時まで学校でしゃべってしまって、先生に怒られた事もあったね
そんな君が━━━━ 死 ん だ
理由は、いじめグループからのリンチ
普段からよく、君をいじめていたグループからの
やりすぎた暴\力からだった
翌日、の卒業式
みんな、泣いてたよ
みんなみんな、君の事、いじめてたのに、嫌ってたのに、
ごめんな、って 今まで仲良くしてやれなくてごめんな、って泣いてたよ
ピアノ、を弾くのは 隣のクラスの男の子で
弾いているのは同じ曲だったけど
やっぱり、何かが物足りなかった
ねぇ、私
君のピアノが聞きたかったな
君とずっと、笑いたかったな
一週間だけだと知っていれば、もっとたくさん 話したのに
あと一週間で、私達は高校生ではなくなる
そんな時に、私と君は仲良くなったんだったね、
あれから、もう 三年も経っちゃったけど、
今思えばあれは初恋だったなぁ、なんて 私、最近気付いたよ。
ねぇ、君は今も ピアノ、弾いてますか。
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