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前のアノ子
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作詞 アオギ |
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白が 風に乗って揺れる
そこから君は 微笑みながら現れた
『よろしくね』
その一言が 妙に嬉しくて
俺は何も言えず俯いた
数日経っても 前のアノ子は
俺の網膜から一時も離れない
隣に座ってる 大阪からの転校生に
「自分どんだけスキやねん」
とか からかわれたけど
別に気にしてねぇよ ただ
『アイツもアイツも
コノ子に恋してる』
っていうのが痛いくらい解って
すこし切なくて すこし悲しくて
風の 強い日はスキなんだ
アノ子の髪が揺れて
優しい香りが鼻腔をくすぐる
『ああ、心地良い』
窓際で良かった だなんて
言いたくても言えない
アノ子も言ってたことを
俺が言ったら キモチが明かされる
それが 怖いために
俺は密かに アノ子のために
シャーペンカチカチ 四回押して
キモチをなんとか 押さえてる
『 す き で す 』
カチカチ言うたび 心で囁いて
『ああ、かみさま、』
『俺にほんの少しの勇気を』
だなんて ガラにもなく神頼み
アノ子のクセも 髪の香りも
全てがすきで 全てが欲しくて
これは何ていう感情なんだ
もどかしい せつない うれしい
自然にでるタメイキ だるそうに吐く
『ああ、これが』
『これが 恋 なのか』
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