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ディレッタントの憂鬱
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作詞 空摩 茉莉華 |
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黒い空の月明かり 蛹は空に飛べない
赤い寝台から見る 淡いひと時の夢には
何も無い空蝉が ただそこに佇んで
伸ばした手を 密やかな風が
優しく撫で 微笑んでいる
そこにいるの 顔をみせてよ
微笑みのない 私のために
いつまでも傍に居て
触れてみて視線だけで
心だけで降りてきて
私の元へ
ああ今一度 共に眠りましょう
格子模様の壁を 紅い蜘蛛が駆け逝く
それはまどろみという 一通の手紙を持ち
落ちてくる体躯は 薔薇のように舞い散る
軋む空と眸が合う時は
また夢に堕ち逝く時間
私の中を触れゆく髪を
撫でて今はまぐわいあいたい
さあどうぞ もうこのままで
その双眸を 見つめていたい
通り抜ける だけの虚しさ
知っていたけど
水底のような闇を 持ってまた輝く
ほしいものは 今のこの瞬間
鈍い黒が 明けようとも
真実の まぐあいなど
望んでは いないのだから
三千年の 鴉を殺し
闇の中で 生きてみたい
そうすれは 望むものを
手にできるから
いつまでも傍に居て
触れてみて視線だけで
心だけで降りてきて
私の元へ
ああまた夜が白く染まり消える…
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