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Angelic rhapsody
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作詞 空摩 茉莉華 |
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慈しむ思い 誰が崩せよう
愛する憂い 誰が飲み干せよう
降り行く雨の中 いない悪魔の声聞こえ
水都の迷宮を孤独に走り出す
口移しの果実酒 紅く苦き血の風味
目覚めし四肢の歪みが響く
双眸見つめる先には蒼穹
其処に降りし胡蝶の手を取り
空へと羽搏く鳥の啼き声は
只果てしない海に谺する
唯一つの太陽に映る陰影
冷たい風 髪を撫でてゆく
光し燈りの虚しき快楽
淡き檸檬の仄かな匂い
白い婚礼服を孕む炎
掲げる躯 獻る
鳥葬されし果敢無き記憶
満ち行く街の中 いない天使を探す声
終わらぬ街並みを 永遠に眺め続け
腕に食い込む爪 染まりし辛苦の四肢
笑顔無き児の欠片舞う
尊き天使を磔刑にするべきだ
罪と罰を飲み込む世界が云う
揺られる揺籠 赤子の微笑みは
水上から眺める景色
流す水は暗渠に流れ行く
疼く傷を抑え虚しさを知る
純血の乙女の血を啜る
冷たい肌 時間を撫でて行く
月下の灯りは悲しき旋律
天つ御空に散らした薔薇
世界を包んだ最後の果実
忌忌しき吐息 砕かれる
葬送されしその名を掲げよ
果て無き迷宮 潤う広場沒む空
止まぬ慰みは天に込めた祈り
恍惚の闇の先 見えぬ双眸の先は
遺文に刻みし者が識る
愛しき手を取り吾を護り給え
軋んだ意識の底に真実がある
慈しむ思い 何が鎮めよう
愛する愁い 何が葬ろう
降り行く雨の中 浸る怒りの矛先
癒す事等誰が出来ようか
見えぬ未来の音 拾えぬ落穂の唄
唯 風だけが舞い降りて
溺れし街の中 命仮令芽吹こうと
開かせる事等 誰が出来ようか
眠らぬ長夜に舞い降りた一つの花
羽搏きだけが谺する
尊き天使を磔刑するべきだ
届かぬ手の先にある世界は未だ見えぬ
愛しき手を取り吾を護り給え
軋んだ意識の底に真実がある
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