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無(弐)
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作詞 楓 |
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軋む軋む 浄罪の塔
光のごとくに 世界を貫く
揺れる揺れる 背骨の塔
堕ちてゆくのは ぼくらか 空か
ぼくは ただ きみに
さよならを言う練習をする
降り頻る太陽の鬣が
薄氷に残る足跡を消してゆく
欺\かれるを恐れるな
世界は既に欺\きの上にある
血のように赤く
骨のように白く
孤独のように赤く
沈黙のように白く
獣の神経のように赤く
神の心臓のように白く
溶け出す憎悪のように赤く
凍てつく傷歎のように白く
夜を食む影のように赤く
月を射抜く吐息のように
白く輝き 赤く散る
あなたの影は 密やかに
行くあての無い 毒針のように
私の歩みを縫いつける
あなたの光は しなやかに
給水塔を打つ 落雷のように
私の命の源を断つ
そう、何ものも 私の世界を 変えられはしない
美しきを愛に譬ふのは
愛を知ったと驕る者
この世のすべては
あなたを追いつめる為にある
我等の世界に意味など無く
そこに生きる我等にも 意味など無い
無意味な我等は 世界を想う
そこに意味は無いと知ることにすら
意味など無いというのに
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