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ヒカリ
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作詞 サクラアキラ |
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萎びたカラダに 朝陽の温度が染み渡る
高くかざした指先から ゆっくりと血が通い始める
追いかけて追いかけて 掴んだ光 硝子箱に入れて
一番に君に見せようと 大切にポケットへ入れた
キレイだろう? 僕がうっとりと掲げた光を見て 君は
答えずに ためらいがちに手を伸ばした そう確かに
僕の右手に触れたんだ 箱をしっかりと握り締めた
どうしたの? いっそう眩く輝く光を横目に 僕は
訊いたんだ 途端に君は手を放して そして言った
僕の両手には余ると 怯えたように箱を見つめて
君の反応に眉をひそめ 僕は君の視線を追った
僕の片手に収まる透明な箱 指の間から零れる金色の光
これさえあれば 二度と暗い道に迷うことはない
夜さえ消し飛ばしてしまいそうなほど 強烈な輝き
どうかしてる 君へ向けて低く呟いたつもりの 声は
涙目の うわずった声と重なった そう確かに
僕の左手を伝ったんだ 君の目から溢れたばかりの
ひとすじの涙を 僕の目はとらえた
けれど けれど僕の手は 僕のココロは
それはそれは眩しくて 冷たい光 氷の箱のなか
溶かさないため僕は カラダごと温もりを捨てた
君の手の感覚さえ もう僕にはわからない
僕のありったけの熱と なけなしの良心を餌に
直視できないほどに 強く光を放って それでも
箱は冷たいまま 僕の手も冷たいまま
軽い音と共に 立方体が勢いよく 内側から弾けた
一瞬 僕の目の前を真っ白にして 光は飛び立った
刹那 瞼の裏に君を焼きつけ 僕は永遠に光を失くした
残された抜け殻の 手に突き刺さる無数の棘
色を失ったカラダが ゆっくりと赤に染まり始めた
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