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天満星
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作詞 夕汰 |
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誰にも言えない願いでも
星は叶えてくれますか
都会に夜は来ない
落ち着かない速度で移りゆく窓のムコウには
たくさんのネオンが 瞬いていた
黒中の斑点に見入った振りをして
徐々に空気が足りなくなる頃
張り詰めた慣れない空気を乱さぬように
私は極めて慎重に息をする
隣からも伝わる 強張った息遣いに
膝の上に揃えた両手が少しずつ汗ばんでゆく
ねえ、どこへ行くの?
そう声に出来ないまま 何でもないという意味で首を振り
延々と続くネオン街を 通り越していく
一度望んでしまったからには もう戻れない
貴方に初めて出会った時から 私のどこかにあった
この気持ちを無意識に抑えていたギリギリの
平和な頃には もう戻れない
本当はもし、なんて少しも望んではいけないけれど
我儘で未熟な私は 知らないうちに
それ以上のきっとを感じていたのかもしれない
失うことが怖かった
一体 何を?
そう聞かれても 私は答えることが出来なかった
個人的な願望である
”もし”。
それよりももっと確実な”きっと”は
私だけの願望だけでは成り立たないことぐらい
とうの昔に 気づいてたはずなのに
今までの我慢、緊張、期待、罪悪感 そして覆いかぶせてた気持ちが
一気に押し寄せる夢となって
私を包み込んだ。
流した涙は 空に広がる天の川の様
幾千もの粒が拭われぬまま
ただ静かに宙を舞う
七日から八日へ流れる星の船
二人が零した雫を辿り 違う路へと消えていく
もう逢うことはない 私たちは
今宵限りの 織姫と彦星
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