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優先席
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作詞 わたげ |
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今日は池田んち行った。
帰りはバス。
久々にバス乗った(俺、いつも歩き)
そしたら 年寄りが乗ってきた。
目が見えないらしく、杖で床を叩きながら歩いている。
見ると優先席は空いている。
「・・・おいばーさん」
「・・・・」
「分かるか?ここだぞ」
俺はそう言いながら、ばーさんの手を引き、優先席に座らせた。
「よっこらせっと・・・大丈夫か?ばーさん」
「・・・・」
ばーさんは何も言わなかった。
何も言わなかったけど
笑っていた。
そして俺の手を少しの間強く両手で握りしめていた。
俺は黙ってた。
少しして、ばーさんは俺の手を放した。
最初俺の手は冷たかった。
けど ばーさんが手を放したとき
俺の手は温かくなっていた。
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