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世界中にあたしみたいな子はどれくらいいるのだろう
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作詞 文月 |
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小さい頃消えた父 いなくなるまで毎日のように聞こえていたような気がする罵声
いつか行こうと約束していた場所ももうないよ
お母さん どうして二人は別れたのですか
大きくなって父親がいないということがどういうことなのか分かってきた
周囲の人の目は幼いわたしに冷たく降り注ぐ
雨粒よりも冷たい
ああ、人の目はこんなにも冷たくなるのか
お母さん どうしてあたしには居ないんですか
父親が居ないと知った友人は如何して居ないのか
それだけ聞いてくる
何時も何時も 五月蝿い
好奇心ゆえに聞いてくるということが分かっているから言わないけれど
うちの親がどうしたとかそういう話になって父親の話になると 思わず涙が出そうになる
お母さん どうしてあたしが泣かなきゃいけないんですか
父の顔なんかあまり覚えてない
そんなときに連れて行かれた病院 何時しかあたしと母を捨て他の女のところに言った父がベッドに居た
悪臭が漂う病室 綺麗とはいえない室内
病人にいい環境とはいえないような設備
当然の報いだ これは神様が与えた罰―\・・・
お母さん どうして悲しくなるのですか
人の事を考えられるようになって 今は友人も自分のことを聞かなくなって
父親が死んだということを大して気にもせずに暮らしているけれど
考えてしまうよ 思い出もなにもくれなかった貴方のことを
捨てられて悲しいとか憎いとかそんな感情じゃなくて
最後に見たのは酷くちっぽけになった父の影
悲しい気持ちしか湧いてこないけど
短い時間のなか あたしが生まれて一年の間はとても幸せだったと思う
今はもう会えない姿を想像して空を見る
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