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後悔
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作詞 海桜 |
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成人式を迎え、
もう25歳になった僕は一枚の紙切れを見ていた。
『同窓会のお知らせ』
ただ呆然と見ていた。
もうあれから約10年の月日が経った。
二度と思い返したくなかった過去・・・。
この紙切れを見て忘れかけていた記憶が少しずつ
よみがえってくる・・・。
ずっと なにがあっても一緒だった僕と君。
僕からのあの一言がなかったらきっと僕たちは
続いていたのかもしれない・・・。
春、すごく桜が綺麗だった日。
僕は友達と喧嘩していて機嫌が悪かった。
その日は君とデートの日だったのに
すっかり忘れていた。
そんなことも知らずに君は僕が来るまでずっと待っていた。
次の日に僕は偶然にも君と会ってしまった。
君は「昨日なんで来てくれなかったの?」と言った。
すると僕は「もう会う気とかないから」と言ってしまった。
君は涙を流しながら僕のもとから去っていった。
僕は自分が何を言ったのかも覚えていなかった。
そう、あの時の僕は自分でありながら自分ではなかった。
僕は我に返ったとき自分がどんなにひどいことを言ったのかわかった。
君にメールで謝った。
何時間経っても 何日経っても返事は来なかった。
そうして僕の恋は終わったのだった。
忘れかけていた記憶がよみがえった。
会って君に謝ろう。
そう決意し同窓会に出席したのだった。
同窓会・・・
懐かしい顔ぶれだった。
みんな高3以来だった。
僕はあたりを見回した。
だけど君のすがたはなかった・・・。
友達に聞いてみた。
その返事はあまりにも悲惨だった。
3年前
彼女はアメリカに留学したらしい。
そして9月11日・・・
アメリカのビルに飛行機が突っ込んだ。
そう・・・。
彼女はその事件に巻き込まれていたのだ。
そして帰らぬ人となったのだ。
それを聞いた僕は一瞬にして涙があふれた。
ずっと謝りたくてこの日をどんなに待っていたのだろうか・・・。
あの同窓会から2年後・・・
二人は再会したとみんなは言う。
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