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向日葵
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作詞 天川 蒼哉 |
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街外れの陽のあたる丘へ
僕は君と絵を描きに行くよ
広がる空と大きな雲に
少しだけ目を奪われながら
お気に入りの麦藁帽子と
白いワンピース姿の君は
そよそよと吹いた風を受けて
何だか嬉しそうに 笑った
古いバス停を通り過ぎて
少し進んだそこが目的地
君と蝉の声に包まれながら
僕は 筆と絵の具を取り出した
そうだ 僕が感じた全てを君に伝えよう
この向日葵畑を 笑顔の記憶にしてみせよう
溢れる物を筆にのせて 僕は想いを描き出す
向日葵の隣で 無邪気にはしゃぐ 君を見るだけで
微笑める こんな日々が いつまでも続いて欲しい
今は少しだけこの幸せを 絵に閉じ込めさせて
君が フワリと消えてしまう前に
窓から響く夏の雨音
部屋の隅には描きかけのスケッチ
お気に入りの麦藁帽を残し
君は陽炎みたいに居なくなる
喧嘩して「嫌い」と言ってても
気付けば君は 僕に寄り添っていて
「きっとこれが答えなんだろうな」と
少し笑った日とも サヨナラ告げた
そうだ 僕は泣いてたあの絵が 怖かったんだよ
描き終えてしまえば 君を忘れそうな気がして
でも 約束を思い出した時 僕の雨が止み始めた
雲から指す光 追いかけるように 向日葵の丘まで
駆け出した 君と居た日この手に握りしめて
お願い もう一度あの幸せを 絵に閉じ込めさせて
君が 笑って振り向けるように
見慣れた街並み飛び出して
古いバス停通り過ぎた
君が居なければうなだれて
走る君をずっと眺めてた
僕は そう まるで
あの向日葵みたいだった
君は 太陽
指きり交わし 微笑んでから 君から紡いだ
約束を 今こそ僕は 叶えてみせる
「貴方が描いた絵 きっと必ず この手で抱かせてね」
君が居た 最後の夏の日の事だった
あの日と同じ 青空と雲に 包まれながら
想い込める 叶わぬ夢に雫を落として
約束の絵を あの陽へ掲げて 最後に そっと呟いた
―\―\君に 僕等の絵を贈ります―\―\
あの青の下
微笑む太陽に 照らされていた
風に揺れる 向日葵
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