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明日という名の彼方
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作詞 吟詠 |
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目を合わせた瞬間は遠く遠く闇の中
声をかけた瞬間 時が止まっていただろう
その僅かな記憶は零れ落ち・・
それくらい 君との距離は果てなかった
歳月の流れなんて この想いには無に等しい
この身を囲む 狭い空間だけが姿を歪ませる
ぎこちなく どこか敬遠した関係に
満足していたが 背けた時間が長すぎたんだ
生まれ変われたなら 朗らかに漂う大気になりたい
馴れ合いを嫌う孤独な君を この大気ならば
そっと 大きな手で優しく包んであげられるだろう
姿なき愛に寄り添うことは簡単だろう?
手を握った瞬間は数えるほどもなく
人見知りの激しい者同志 触れ合う事だけはなかった
その記憶だけは鮮明で・・
初めて肩を抱きあった瞬間 脆い自分を痛感した
流れ行く歳月の中 いつしか距離は縮まっていた
お互いに想いを抱えていても気付かない
大きな声で笑い 溜め込む物を吐き出しては
欠点や弱さが目立ちだし 本当の姿がちらつき出した
遠すぎる関係に戸惑い 大きくなる存在に気付けない
積極的になれない本質同志の 奇妙な関係
特別くっついたわけじゃない 呼び合うこともない
執着の薄い自分たちには中途半端が一番合っていた
縛られず縛らない 嫉妬をすることもなく
好きなときに寄り添いあい 離れていく
そんな共感の得られない友情が一番心地よかった
その代わり とても進歩は遅かった
「完璧」から離れていく自分が嫌いなわけじゃない
時に傷つけて 苛立ちを感じてしまうこともある
誰に感じ 誰を責めるべきなのか?
それが確証しないため よけいにもどかしさを感じる
自分たちは 揺れ動く蝋燭の炎の様に危うい存在だろう
「寂しさ」や無性に感じる「焦り」を吐き出せない
そして 小さな愛で喜びを感じる不器用な子供だ
「自分」の世界がより強く より濃く色あせる
不安定な時の中で繋がり続けられるか?
人はただ不安を抱え 駆け巡り続ける
明日という名の彼方を見つめながら・・・
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