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茜色
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作詞 來花 |
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夕暮れのブランコに揺られ、不意に貴方は口ずさむ。
哀しい音色が錆び付いた身体の奥に染みて、
今日もまた、サヨナラが言えない。
現代のリアリズムに嫌気が差して、
此処まで逃げてきた筈なのに。
どうしてかしら?
枯れ果てた心が、泣いてる。
離さないでね。
愛おしいと想うのなら、
あたしの声ごと抱いて眠ってよ。
洗練されたシド・ヴィシャスへの憧れよりも
今、あたしが欲しているのは、貴方。
不安定に積み上げた言葉が、ほろほろと崩れ落ちて。
嗚呼、今日もまた、あたしの喉は大渋滞を起してる。
見上げれば橙。暮れて紅。
そうして茜色の交差点があたしを誘う。
吐く息が、響いてる。
「スキ」 駄目。
今日もまた、言えない。
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