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線香花火
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作詞 四月一日 |
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蒸し暑い夏の夜
公園で二人肩を並べては
はしゃいでいた
青色のバケツには
溢れんばかりの水に映った
欠けた月
青色・赤色・輝く虹
夜の闇に負けず
楽しそうなはずのキミの顔
白い影が隠す
コンビニの袋から
ひときわ細い最後の玩具を
キミが出す
火をつけず眺めては
「こう生きたい」と小さな声を
響かせた
「どうせ散るのならば華やかに」
僕は笑うけれど
目を合わすキミは寂しそうに
俯き首を振る
二つの命に光を与えてみよう
蝉の音が止まぬうちに
一番大事にしていた光が
消えてった
真っ白い部屋の中で
時が来るまで必死に輝き
消えてった
わずかな人達に見守られ
静かに散る様は
キミが愛した玩具のようだ
望みは叶ったね
涼しげな秋の夜
公園で一人空を仰いでは
黙っていた
闇色の夜空には
広い世界へ飛び立った
丸い月
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