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アピス
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作詞 志岐 |
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見上げた夜空はいつも真っ暗で
その中に周りを照らそうともせずに、異様な光を放つ月を見つめるたび
私は私でなくなる
哀しいんじゃない 寂しいんじゃない・・・
ただ
私を蝕んでいく猜疑心と嫌悪感だけは
はっきりと感じ取れたんだ
奈落の底にある月は
確かに不気味な程に輝いてるのに
それを映す、私の瞳は
闇しかなかった
目を閉じたのに 閉じたはずなのに、
私の中は変に明るい
だから
手を 伸ばしてしまった
何もないの あるはずないのよ そう
私に言い聞かせてきたのに、
また・・・・・・
馬鹿な私は 幾度見放されても諦めることの出来ない私は
また
期待をしてしまったの・・・・・・・
もしかしたら、もしかしたらって
そして繰り返す
手を伸ばしてもそこは何もない、見えない「黒」に変わって
私の手は 空を掴む
涙なんか流れない 悲しいとさえ思わない
ただ ごく自然に 普通のように
虚しさが残るだけ
それを 辛い 苦しい ・・・・?
そんなことない 笑っちゃうくらい
だって、ねぇ?
どうしてそうなるの 私は、
この この絶対に抜け出すことのない艱苦な世界を
楽しんでるのよ? だから
そんな、清純 純粋な瞳で私を、
私を見ないで?
ねぇ
お願い
やめて
お願いだからやめて・・・っ
だって・・・ じゃないと
ずっと我慢してたのに
溢れちゃう
本当の気持ち
あぁ・・・・っ
ねぇ
お願い
誰か
誰でも良いの 誰か私の、中の、心の、悲鳴に
気づいて・・・・・・?
悲しい 哀しい 辛い 苦しい 切ない 遣りきれない 怖い こんな世界
嫌だよ・・・!!
上ばかり見ていた私は 下に
大きな 大きな
とても深い、底の見えない真っ暗な闇、がポッカリと開いていたのに、気づかなかったんだ
そしてそれが 私を 私の手を引っ張って
招き入れる
誘われるように 意志と関係なく、自分が
堕ちていくのを
感じた。
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