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置き去りの傘
作詞 DDman
静まり返った学校
南校舎の昇降口の 古びた傘立てに
ピンク色の水玉模様のかさが一本
ずっと、泣いていた

持ち主の名前も書かれていない
ずっと、使われていない
晴れの日も 雨の日も
ずっと、佇んでいた

置き去りにされた傘には
血が塗られていた
何年も前に降った 血の雨によって


――何年か前
 恋人達が、学校帰りの雨の道を歩いていた
  男は、傘を持ってきていなかった
    女は、傘をさしだした
      
 相合傘で歩く二人には 見えていなかった
  傘の死角から急接近していた、車の姿が

 血の雨が降った
  男は帰らぬ人となった
    
 後に女は血塗られた傘を
  男に告白された思い出が眠る
   南校舎の傘たてに立てる
 
 そして女が卒業して数年
  未だに傘たてに立てられたままのこの傘は 
   女が 男の事を想い、作った
    男の、もう一つの墓なのである


置き去りの傘は泣いている
あの日のあの時を想って
ずっとずっと、泣き続けてきた
ただ、愛し合っていた二人を
絶望と悲しみの果てへと連れ去ったのだから

夕闇の中で、傘が泣く
二人を飾ったピンクの水玉と雨
雨の中を二人で歩く、その姿は
人々の目にとても美しく映っただろう

想い出は、この墓に眠る
血を纏い、悲しみを纏い、愛を纏ったこの傘に
あの日の想いと 
ただ綺麗な愛が染み込んでいる

ある雨の日
二人の恋人達がお互い傘を忘れた
目の先に留まったのは 
ピンク色の水玉模様の傘
こんな雨の日だ
傘を忘れて帰る人は居ないはず
なのにどうして傘があるんだろう?
おかしいと思いながらも
その二人はその傘を拝借した

傘は 泣いていた
悲しみにではなく、喜びに
自分をまた使ってくれる
一組の恋人達への感謝と
今度こそ引き裂かないという誓いに、震えていた
置き去りの傘は 
恋人達に連れられて 夢の彼方へと歩き出した

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歌詞タイトル 置き去りの傘
公開日 2005/05/21
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コメント 久しぶりの傑作みたぃな。。。と、自分で思ってはいますが。突然恋人を失うというのは、一番悲しい別れとは思いませんか?
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