|
|
|
アンバランス
|
作詞 玲祇 |
|
とある日、少し昔のとある街
賑わいを見せたこの街で
野良犬と野良猫が歩いていた
飼い主無しで「生きるため」
いくら栄えたこの街も
いずれ廃墟と化すのだろう
人も全員出て行くのだろう
ならば今から身に付けよう
人無しで生きていく術を…
アンバランスな組み合わせ
それは人が見れば笑えるもの
しかし私達は生きていこう
この世界で一番の相棒と…
最後の一人が出て行った
この街は廃墟と化した
食べるものは少ない
しかし友と共に生きよう
残飯を手繰り寄せ
2人で分かち合う喜び
相手は全く違う生き物だけど
目的は一緒、迷うことは無い
最後まで一緒にいよう…
アンバランスな組み合わせ
時には喧嘩もするけれど
しかし私達は生きていこう
この世界で一番の相棒と…
ついに消えた食料
やせ細った2人
見かねた野良犬はこう言った
「食料を探してくる
お前はここで待っていろ
俺は必ず戻ってくる」
野良猫は待った
嫌な予感がしていた
しかし信じ、祈り続けた
相棒が帰ってくることを
相棒は帰ってきた
食料を持って帰って
自分の命を削って
「お前は俺に命を預けた
俺は約束を守った
今度は俺がお前に預ける
この命、受け継いでくれ」
野良猫は走った
仲間の死を無駄にしないために
持って帰ってきた食料で
生き続けながら
「あんたは俺のために死んだ
ちっぽけな俺に命を預けた
だが俺はあんたに何も出来ない
もうすぐ俺もあんたの所に行くよ」
アンバランスな組み合わせ
一匹は相棒を守りぬいた
一匹は仲間の死を無駄にはしなかった
次、この廃墟に誰か来たとき
2人の活躍が分かるだろう
飢えに打ち勝ったこの二匹の…
|
|
|