|
|
|
記憶喪失
|
作詞 ジェット |
|
僕は夢を追ってる少年です。
今は坂の上、小さなアパートの部屋で過ごす毎日です。
そんなある日、「そういえばあの冬以来、君に会ってないな」と思わずこぼした。
電車に乗るには財布が軽い。
でも僕はいてもたってもいられず、自転車引っぱりだしてきた。
線路沿いの坂道、君をめざして下ってく
果てなく続くその坂を 僕は電車よりも速くとばして駆け抜けた。
そのころはまだ知らなかった… これから起こってしまう事件(コト)を。
自転車とばして数時間だろうか。
今が夜になっても、暗く細い抜け道を行くばかりの自分です。
そんな時、「後ろから誰かの声が聞こえるなぁ…」と頭のなかで思ってた。
でも、今の自分に意識はない。
「危ないよ!」という誰かの叫び声、僕には届いていなかった。
ここはどこなんだろう?僕はどこへ向かってたのだろう?
海沿いの病院、いるのは記憶をなくした僕。
果てなく続くあの坂も 自転車で駆け抜けた日々も、僕は覚えていない。
もう戻ることはないのかな? 僕が忘れてしまった日々の記憶…
ベッドに置かれて数ヶ月だろうか。
今が夜になっても、まだ記憶を失ったままの自分です。
そんな時、開いた病室のドア、「誰かなぁ?」と自分に問いかけた。
入って来たのは女の子、
その子はいてもたってもいられずに、「大丈夫?」と問いかけた。
一体誰なんだろうか?でも不思議な感じがした。僕はこの人を知ってる気がした。
「もしかして君は…」僕は言葉に躓いた。
そしてあの子は「そうだよ」とやさしく微笑んだ。
そんな時、あの自転車の日々の記憶が僕のなかに蘇る。
今、ようやく君に逢えたんだ。
「大好きだよ」という君の叫び声、僕にしっかり届いたよ。
今僕らふたりがこぼした涙、いつもより塩っぱい気がしたよ。
|
|
|