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リンゴ
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作詞 ちさこ |
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幼なじみの彼女があと一週間の命だそうです
昔から体の弱かった彼女はその事を
当たり前という顔をしています
僕は毎日病室に通っています
僕のつまらない話を
彼女は黙って聞いてくれました
ふいに彼女が僕に言いました
「ありがとう」
そして優しく僕に微笑んでくれました
僕はそのとき照れながら
リンゴの皮をむいていました
彼女は僕の初恋の人です
けどこの気持ちを伝えたら
命にかかわるかもしれないので
言わないでいようと思いました
何日かたって彼女が僕に言いました
「私が死んだら空を見て私を探してね
星になるから」
その日の夜 彼女は深い深い眠りにつきました
冬の外はとても寒くて
僕のいくつもの白い息は消えていきました
空を見上げると星がひとつ輝いていました
偶然かもしれないけど
彼女が星になってしまったと思うと
僕は涙が止まりませんでした
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