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青春、だったっけ。
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作詞 憂海 |
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「その時」がいつだったかは覚えていません
ただ 「その時」のあたしはよく笑っていました
なぜだろう 記憶の旅に出かけることにしました
ここは中学校だろうか
いつかの香りが鼻をつきます
中庭の亀池で かわらない 「その頃」の亀たちがキスをしてました
放課後遅くまで話しこんだあたしたちの「場所」も
今は知らない誰かの タマリ場になっているんでしょうか
イキがってた 自分の姿が見えた様な気がしました
あたしが過ごした教室
担任がキレイ好きじゃなくて 散らかってたあの頃の教室とはちがって すべてが整理されたキレイな教室
・・・少し寂しくなりました
その教室のロッカーに
テニスバッグがぽつんとおいてあります
バッグは真っ赤な夕日の光で映えてました
それは
あたしの中での「その時」の象徴だったような気がします
思わず笑みさえこぼしながら ラケットにそっとふれてみました
ふいに 鳥肌が立ちました
だって その刹那 君があたしの前に立っているのですから
理由もなく君の名を呼びました
何度も 何度も・・・──
でも君は ただ笑いかけるだけでした
いつだろう 君との会話を想い出します
『コーチって、いつも歩き方から話すよね』
『俺もそれ言われたよ ちょっとビビッた』
声も 場所も 君の使ってたラケットのメーカーも
すべて覚えてるんです
自分のカラダが・・・ 憎らしいと思いました
でも また「その頃」のかたちで出逢えたことに
胸は 震えてました 高鳴ってました
涙がポロポロと床に零(こぼ)れ落ちます
いつのまにか君とは別々の道 たどってました
何年も 何年も経って ようやく気付いたんです
君を想ってたことに
そのために 悩んで悩んで 数え切れないくらい
泣いた時間(とき)も 甦りました
あたしは無意識につぶやきました
「ありがとう」 と・・・
気持ちの扉をそっと閉めて
鮮やか過ぎる 夢から覚めました
今はこうやって 画面とにらめっこしながら
夢 つづってます
電源を切る前に ふと こう書きました
「また 君に逢えるといいな」
って。
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