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空港にて
作詞 条峙
誰よりも秘密を分かち合った 君が知らない場所へ行ってしまう
与えられた短い猶予を僕はどうすることもできずにいた

免税店で友達とはしゃぐ君 いつもと変わらない分だけ寂しい
空になった缶コーヒー握りしめ 時計のソツなさを恨んだ

目を閉じれば君があふれ出して
記憶も未来も走馬灯みたく回る
それが雫となって零れるのには早いから
二番煎じのスケジュール帳を見返したりした


旅立ちの空はご機嫌斜めで 薄着の君を追い立てる
病弱な君が見せた健気な笑顔が切なさを駆り立てた

君の手を塞いでた荷物を下ろして 無言でジャケットを被せてやる
これで暖まったかな?まだ寒いなら胸も貸すよ?なんてね

取るに足らない会話も宝物で
毒舌も饒舌も割拠して回る
発着時刻までもう少しのこんなときに
くだらない冗談が吐けて良かったと思う


ああ なんで冗談で言ったのにホントに抱き着くのかなあ
ああ あったかくて離れられなくなったらどうしてくれる
ああ その声もその笑顔もその涙もこの確かな温もりも
ああ ずっと忘れることなんてできそうにはない

腕の中から君があふれ出して
絶望も希望も走馬灯みたく回る
それが堰を切って零れていってしまうから
世界中でたった二人だけになったような気がした


明日からは他人だね でもこの瞬間だけは永遠だよ
ずっと、ずっと、ずっと―

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公開日 2012/09/01
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